第96章

藤原承弦がH島に着くなり、息つく間もなく事故のあった浜へ向かった。

車が完全に止まる前にドアを押し開けて飛び降り、よろめいて――立っているのがやっとだった。

何日もまともに眠れていない。加えて飛行機で3時間以上。身体なんて、とっくに限界を超えている。

それでも、疲れは感じなかった。感じる余地すらない。

頭の中にあるのは、ただひとつ。

――彼女を見つける。

使える人員も手段も、すべて動かした。個人名義で破格の懸賞金まで出した。

公的な捜索と、彼の私的な捜索が、同時進行で海を掘り返していく。

藤原承弦は捜索艇に立ち、引き上げられた残骸を一つひとつ、自分の目で確かめた。

海風は強...

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