第20章

まるで歓迎の儀式でもするみたいに、堂々と実験基地の中央――テーブルのど真ん中に置かれていた。わざわざ彼女を待っている、とでも言わんばかりに。

新村慎之介が本当に警戒しているのなら、こんな重要物をこんな目立つ場所に放り出すはずがない。

実験室の暗証は、たしかに彼女を締め出すためのものだった。

だが中には、彼女が本当に欲しているものがない。

新村慎之介は最初から、餌を撒いていたのだ。

米崎梨央は迷わなかった。すぐさま身を翻し、実験室の窓から外を見れば、すでに人だかりができている。

米崎梨央は鼻で笑い、天井を一度見上げると、壁を思い切り蹴った。反動で身体を跳ね上げる。

ひゅん、と宙を...

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