第36章

米崎梨央は視線を引き戻すと、踵を返してその場を後にした。

外へ出ると、鈴木明哲が待ち構えている。

米崎梨央の姿を見つけるや否や、鈴木明哲の顔に「面白いものが見られる」とでも言いたげな笑みが浮かんだ。

『どうだ? 派手にやらかしたか?』

米崎梨央は平然と彼を一瞥し、口元に嘲るような笑みを貼りつける。

『どう見える?』

鈴木明哲が眉を寄せた。

――おかしい。落ち着きすぎている。

中で何が起きたのか、逆に疑いがむくむくと湧き上がる。

鈴木明哲が戸惑いを隠せないでいると、室内からもう一人、影が出てきた。

提携先の責任者が、さっきまでの尊大さをかなぐり捨てたように米崎梨央の前へ駆け...

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