第46章

米崎梨央は新村慎之介を睨みつけた。彼の言葉をまるで信じていない。ただ、嘘をついている――そうとしか思えなかった。

けれど新村慎之介の表情は妙に坦々としていて、嘘つきのそれには見えない。

「……解析版のこと、知らないの?」

梨央の瞳は疑いで濁る。

「新村家のものなんでしょ。知らないなんてありえない。しかもあなたは新村家の後継ぎよ。機密文書は全部、あなたが握ってるはず」

新村慎之介は口角を上げた。

「君はまだ、新村家のことを分かってない。バイオ部門の実務は俺が見てる。でも、核心の機密は俺ひとりの手元にはないんだ」

少し間を置いて、付け足す。

「暗号化のやり方自体、先代から受け継が...

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