第7章

新村慎之介の瞳には、どこか面白がる色が宿っていた。彼は彼女に向けて、口元だけをふっと持ち上げる。

米崎梨央の胸が、かすかに揺れる。――妙だ。視線だけで言葉を喋られているみたいだった。

獲物を射抜いて、逃がさない。そんな危うい目。

まるで、こう告げている。

――捕まえた。

米崎梨央は目を泳がせ、思わずこほん、と咳払いして視線を逸らした。

その、どこか後ろめたい仕草が――周囲の目には、照れ隠しに映ったらしい。

会場がざわっ、と沸く。しかも新村慎之介は、否定もしなければ訂正もしない。途端に囁き声が雪崩れ込んだ。

「新村家の当主、新村慎之介だぞ? なんで田舎の娘なんかに……勘違いじゃ...

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