第9章

米崎梨央は、指先をきゅっと丸めた。

しばらくして、ようやく口を開く。

「……本当に?」

光の表情が複雑に曇る。

「俺だって見間違いであってほしかった。でも、間違いなくあいつの名前だった。しかも……写真も撮ってある」

そう言ってスマホを取り出し、米崎梨央に差し出した。

米崎梨央は、見なかった。

光は確信のないことを軽々しく口にするタイプじゃない。つまり、これは――本当だ。

彼女はゆっくり唇を結び、窓辺に腰を下ろす。

月光を受けた琥珀色の瞳に、ひやりとした冷たさが宿った。

光が一歩近づき、声を落とす。

「俺さ、米崎家って絶対ただの家じゃないと思って、ずっと調べてるんだ。前に...

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