第11章 クールダウン

あまりの衝撃に、高坂詩織は言葉を失った。

桜井千歳は憤りを滲ませながらも、口調はまだ平静を保っていた。「一条彰人ってマジでクズ男だね、今になって無茶苦茶な言いがかりつけてきて! あたしはあんたを苦しみから解放してあげただけなのに、あたしの医師免許を取り消そうとしてるなんて……」

それを聞いて、高坂詩織は深く息を吸い込み、ようやく自分の声を取り戻した。

「千歳ちゃん、どういうことか聞いてみるから、焦らないで」

そう言うとすぐに電話を切り、震える指で一条彰人の名前を探した。

電話が繋がるのを待つ一秒一秒が、まるで拷問のようだった。

立て続けに五回電話をかけたが、すべて「おかけ...

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