第15章 人を造る

個室の照明が明るく、一条彰人の眼底に宿る野心を余すところなく照らし出していた。

母親を排除し、子だけを残す。悪くない手だ。

息子のその殺伐とした決断力に、藤崎素子はむしろ満足し、立ち上がって一条彰人の後ろへ回り、彼の肩を叩いた。そして、わずかに身を屈めて言った。「あなたに考えがあるのはわかるわ。でも、あの子は産ませてはだめ」

高坂詩織はかつてあのような手段で一条彰人と結婚したのだ。今、子供でもできようものなら、どうやっても振り払えない厄介事になる。

まだ一ヶ月の子供でも、十月十日を腹の中で過ごすには、まだまだ長い時間がかかる。

一条彰人は待てるかもしれない。高坂詩織も待てる...

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