第16章 彼女に利益を求める

今、自分が一条彰人の傍にいるのは、ただ桜井千歳の件がまだ解決していないからだ。

しかし、妊娠は賢明な選択ではない。

今の自分は、もう子供で一条彰人を縛り付けたいとは思わなかった。

高坂詩織はスマートフォンを取り出し、こっそりと避妊方法を検索する。

いくつか目を通し、最終的には見つかりにくい方法を選んだ。

翌日、高坂詩織は予約していた個人クリニックで、輸入物の避妊注射を打ってもらった。

彼女は予約と支払いの記録をすべて削除した。

一条彰人が本気になれば隠し通せないことは分かっていたが、今の高坂詩織にそこまで気を配る余裕はなかった。

翌日の昼。

「高坂詩織、どう...

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