第25章

家に帰ると高坂詩織はシャワーを浴び、出てきてから桜井千歳に電話をかけた。

桜井千歳はすでに帰宅しており、ただ今日の出来事を思い返すと、まだ興奮冷めやらぬ口調だった。「高坂詩織、今あたしが言いたいのは、あんたにもう少し分別を持ってほしいってこと。あいつらはあんたを眼中にないんだから、この先幸せになんてなれないわよ」

興奮のあまり呼び捨てにされている。高坂詩織は苦笑した。

むしろ自分の方こそ、病院であんな目に遭って、心は完全に死んでしまったようだった。

死んだ水溜まりに、今さらどんな波紋が立つというのだろうか?

彼女は優しい声で桜井千歳をなだめ、早く寝るように促した。

高坂...

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