第107章 ハネムーンを過ごす

鈴木莉緒は空港で沖田譲が航空券を二枚持っているのを見ても、まだ二人の出張だと思い込んでいた。沖田譲がその航空券を森遥人に渡し、代わりに森遥人のスーツケースを受け取るまでは。

「若様と奥様はどうぞお休みください。残りの手続きは私が」

「ん」

森遥人が鈴木莉緒の手を引いてVIPラウンジへと向かう。そこで鈴木莉緒は、ようやく気がついた。彼の出張ではなく、自分たちの旅行なのだと!

「私、仕事があるんですけど!」鈴木莉緒は航空券に書かれた目的地を見て、目の前が真っ暗になった。しかも国外!

森遥人は航空券をしまい込む。「休暇は取っておいた」

「……」鈴木莉緒は言葉を失った。「どうして勝手に休暇なんて...

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