第127章 痛いなら黙れ、話すな

白石知世が演技をしているのか、それとも本心なのか、鈴木莉緒はそれ以上追及しなかった。

もし演技だとしたら、辛い経験を盾に慰めを求めようとする人間と張り合う必要など、なおさらない。

鈴木莉緒は車を運転し、ゆっくりと山を下りていく。

道中、怪しい車や人影は見当たらなかった。

しかし、白石知世が自作自演をしたとも考えにくい。

今になって考えてみれば、白石知世がここに現れたこと自体が奇妙だった。

世の中には偶然というものがあるが、いくらなんでも、自分たちが急遽ここへ来ることを決めた途端、都合よく彼女が助けを求めてくるなんてことはあり得ない。

ましてや、本当に助けを求めるなら、山の上ではな...

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