第169章 依然諦めない

遥人がホテルから出てくると、夜は更け、露が降り、寒さが一層身に染みた。

知世はそこに佇んでいた。目尻から涙が流れ落ち、彼女には遥人がなぜこれほどまでに自分に無情なのか、理解できなかった。

以前の彼は、こんなではなかった。

まさか、本当に莉緒を愛してしまったというのだろうか?

「俺が君なら、何度も彼の気持ちを試したりはしない」加賀は不快感を堪え、ソファから身を起こした。ひどい頭痛がする。

吐いたおかげで、いくらか意識ははっきりした。

知世は振り返り、加賀を見つめた。「彼は、私が一度嫁いだことを嫌っているのかしら?」

「ああ」加賀は眉間を揉み、軽く笑った。「どうして君は、彼が君を全く...

ログインして続きを読む