第195章 彼の愛を求めない

二人の間で愛が語られたことは一度もなかった。

最初から、彼らの間に愛情など存在しないと深く理解していた。

莉緒もまた、彼の愛を求めてはいない。

感情のもつれがなければ、身を引きたいと思ったときに苦しむこともない。

白石綾子と白石知世は違う。莉緒はそれを身をもって感じていた。

遥人は今、綾子の出現が二人の関係に影響しないと言っているが、時が経てば、いずれ変化は訪れるだろう。

人の心ほど変わりやすいものはない。

遥人は莉緒を無視し、彼女が何を言おうと口を閉ざしたままだった。

莉緒はどうでもよかった。そう遠くないうちに、彼らはそれぞれの道を歩むことになるのだから。

夜、莉緒がシャワ...

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