第206章 離れたいなら、離れなさい

来た時は二人だったが、帰る時は三人になっていた。

浅野静香が車を出していたので、出くわしてしまった以上、それに白石綾子の足が不自由なこともあり、声をかけないわけにはいかない。

「送るわよ」浅野静香は白石綾子に少し同情していた。

「ご迷惑はおかけできません。タクシーを呼ぶのは簡単ですから」白石綾子はいままで通り、他人の好意を断った。

浅野静香は鈴木莉緒に視線を送る。

鈴木莉緒は白石綾子に対して、何とも言えない感情を抱いていた。

彼女の不自由な足、そして体にあるたくさんの傷。一体何を経験してきたのだろうか。

森遥人は彼女の体の傷を知っているのだろうか。

そう思った矢先、白石綾子が鈴...

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