第222章 彼女は森遥人にまだ情がある

その夜、森遥人は何もしなかった。

鈴木莉緒が目を覚ました時、森遥人はもういなかった。

彼女が引き出しを開けてみると、頭がずきずきと痛んだ。両サイドのベッドサイドテーブルの引き出しに、それぞれ四箱ずつ置かれていたからだ。

「……」

鈴木莉緒はそれらを片付けようかと考えたが、結局やめにした。

これは必需品だし、あるべきものだ。

昼、鈴木莉緒は同僚と食事に出かけた。

レストランの入り口で、鈴木莉緒は白石綾子を見かけた。

白石綾子もすぐに彼女に気づいた。

「莉緒さん」白石綾子は親しげに彼女を呼んだ。

挨拶をされて、無視するわけにもいかない。

彼女の方へ歩み寄る。「どうしてお...

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