第259章 今夜、ここに残る

鈴木莉緒が電話をかけたが、誰も出なかった。

「はっ」

 鈴木莉緒は二度とかけ直さなかった。

 出ないならそれでいい。

 彼女は荷物を持って家に帰った。

 三日目、警備員がまた彼女を引き止め、同じように朝食の袋を渡してきた。

 鈴木莉緒は変わらずそれを受け取った。

 夜、例の車はまだ後をつけてきていた。

 しかし今回は、車はいくらか遠くに停まっていた。逃げやすいように。

 鈴木莉緒はもう車を降りず、そのまま車庫まで運転して帰った。

 四日目、鈴木莉緒は警備員に引き止められるまでもなく、自ら車を停め、手を伸ばして警備員の手にある朝食を受け取った。

 昼、浅野静香から鈴木莉緒に...

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