第264章 花の下でキス

森遥人は白石綾子を送り届けた。

彼が去る前、白石綾子は尋ねた。「遥人さん、莉緒さんのこと、好きになったんでしょう」

森遥人は否定せず、頷いた。

「よかった」白石綾子は彼に向かって微笑む。「いい知らせ、待ってるわ」

「じゃあ」

「ええ」

白石綾子は玄関先で、森遥人がエレベーターに乗り込むのを見送った。その笑みは絶えることがない。

エレベーターの扉が閉まるまで、白石綾子の顔からすっと笑みが消えた。

彼女はドアを閉め、車椅子を押して掃き出し窓の前まで行くと、外の燦々と照りつける太陽を見つめた。その瞳には暗い影が落ちていた。

鈴木莉緒はまだ家で休んでいた。パジャマ姿で髪はぼさぼ...

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