第271章 深く侵入する

雨は午後から降り始め、レストランの客はまばらだった。

いつもの席だったが、大雨で薔薇の花びらがすっかり散ってしまい、地面には残骸が散らばっている。しかし、緑の葉は風雨の中でひときわ力強く立っていた。

次にさらに美しく咲くためだけの、この強さ。

森遥人がメニューを彼女に渡した。

「君が頼め。俺のおごりだ」

森遥人は眉を上げた。「なんの名目で?」

「迎えに来てくれたお礼」

「悪くないな、それで食事が一食浮くなら」森遥人は冗談を言いながらウェイターを呼び、四品注文した。

鈴木莉緒は彼が注文した料理名を聞いて、眉をひそめた。「辛いものは食べないんじゃなかった?」

「君が食べればいい」...

ログインして続きを読む