第282章 ただ混乱しているだけ

車の中で二人が楽しげに語り合っているのを、彼は見ていた。

少なくとも、とても和やかな雰囲気だった。

彼女が本気であの男に気があるのではないかと、考えずにはいられなかった。

「もうあなたとは続けたくない」鈴木莉緒の意思は固かった。「他の誰かのせいじゃない。ただ、あなたとはもう続けたくないの。森遥人、あなたは私のことが好きだと言うけど、私にはそうは思えない。それに、私はあなたのこと、そこまで好きじゃない」

彼女は、森遥人との未来など、まったく考えていなかった。

今こうして二人がもつれているのは、もしかしたら笹川久志が言ったように、ただまだ飽きていないだけなのかもしれない。

鈴木莉緒が顔...

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