第299章 鈴木莉緒を殺しに行く

値打ちがあるかどうかなんて、当事者の心の中ではおのずと判断がつくものだ。

白石綾子には感じ取れた。森遥人は本気で鈴木莉緒に惚れている、と。

彼がたとえ何も言わなくても、その態度が彼の心中を物語っていた。

「行こう」周防尽は白石綾子の車椅子を押し、傘を差して、この人気のない道を歩く。

白石綾子は蝉の鳴き声を聞きながら、真夏の灼熱を少しも感じなかった。

彼女はふと足を止め、生い茂る草むらの中にある側溝をじっと見つめた。

「周防尽、あの時、姉さんはあなたに見逃してくれって頼んだの?」

周防尽はごくりと喉を鳴らした。「うん」

「私があなたにそうさせたって、きっと気づいてたはず」白石綾子...

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