第301章 才人に嫁がないと老いるのが怖い

その夜、鈴木莉緒は中条亜矢に付き添って徹夜した。加賀信也も一緒で、中条正臣は車の中で仮眠をとっていた。

彼らの他に、森遥人も車の中にいた。

彼は帰らなかった。

あの女が薄情なのは知っていたが、彼女が涙を拭うのを見ると、やはり心中穏やかではいられなかった。

空が、白み始めた。

時刻は確認済みだ。朝の六時十分、埋葬。

葬儀社が手配した車で、一行は墓地へと向かう。中条亜矢は母親の骨壷を抱き、コンクリートでできた穴の中にそれを納めた。

とっくに泣き尽くしたはずなのに、この期に及んで涙は止まらなかった。

別れの言葉を告げ終えると、小雨が降り始めた。

「お母さん、お父さんには会えた?」中...

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