第323章 彼に風呂に入らせる

森遥人が退院の日を迎えた。左手のギプスはまだ外れておらず、腰にはずっとコルセットを装着している。

退院は車椅子だった。

鈴木莉緒には、沖田譲たちに退院時間を教えるなと釘を刺しておいた。誰にも会いたくなかったからだ。

「雲居」に戻るなり、森遥人は立ち上がろうとした。

鈴木莉緒が眉を寄せる。

「ちょっと、大人しくしててよ」

「こんなもの、もういらん」森遥人は腰のコルセットを引き剥がそうとした。

「医者からは、あと半月は着けておくようにって言われてるでしょ」鈴木莉緒は注意を促す。「病院に逆戻りしたくなければ、大人しくしてることね」

森遥人はしぶしぶ動きを止めた。鈴木莉緒が自分の荷物を...

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