第334章 森遥人、君は彼女の想い

「彼女、いったいどうしたの?」

 森遥人の様子が明らかにおかしいことに、鈴木莉緒はあえて気づかないふりをした。

 森遥人はごくりと喉を鳴らし、目尻を赤く滲ませる。

「風呂場で転んだんだ」

 鈴木莉緒は眉をひそめた。

「中にいる」

 森遥人が主寝室の方へ視線を向ける。

 鈴木莉緒が部屋に入ると、白石綾子はベッドに横たわっていた。布団から出た両手は固く握りしめられ、歯を食いしばり、恥じらいのあまり鈴木莉緒を直視しようとしない。

 露出した腕と肩を見て、鈴木莉緒は悟った。彼女は何も着ていないのだと。

 つまり、森遥人が上がってきた時、彼女は一糸まとわぬ姿だったということだ。

 鈴木莉緒...

ログインして続きを読む