第338章 私を追いかける人は少なくないのでは?

客は途切れることなく訪れ、鈴木莉緒は入ってくる客一人ひとりに、ひどく手慣れた様子で挨拶を交わしていく。それは客を迎えるというより、まるで旧知の友人を招き入れるような光景だった。

ステージ上ではバンドが楽器のセッティングを終えていた。今日のボーカルは若く端正な顔立ちの青年で、開口一番、大声で呼びかける。

「莉緒さん!」

鈴木莉緒は笑みを浮かべてステージへと歩み寄る。

「また私にデュエットさせる気なら、ギャラの半分はもらうわよ?」

青年は気前よく即答した。

「全部あげるよ!」

鈴木莉緒は目を細めて笑い、赤い唇を艶やかに綻ばせた。その姿は息を呑むほどに美しい。

森遥人は、鈴木莉緒が青年と掛...

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