第339章 プロポーズ

「下見? 何の下見だ?」

 白石綾子は口元を艶やかに緩めた。その瞳には光が宿っている。彼女は視線を上げ、鈴木莉緒をじっと見つめた。

「プロポーズの、場所よ」

 鈴木莉緒の心臓が、早鐘を打った。まるで鈍器で殴られたような衝撃だった。

 傍らにいた八代奈々が、唇を真一文字に引き結ぶ。

「うちはそういうイベントは受けてないんで」

 二人の来意を知るや否や、笹川久志は即座に断りを入れた。まだ客が帰ってもいないうちに鈴木莉緒が顔を出してしまった形だ。

 笹川久志は白石綾子と森遥人の関係を詳細に知っているわけではない。だが、白石綾子と鈴木莉緒が恋敵であることくらいは把握している。

 プロポーズ?...

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