第342章 お前のものではない 争っても手に入らない

鈴木莉緒は昼間寝て、夜は店に出るという昼夜逆転の生活を送っていたが、それはそれで充実していた。

前の職場の上が電話してきて、いつ職場復帰できるかと尋ねてきたが、彼女は少し考えてから、もう行かないと告げた。

上司は言葉を尽くして引き留め、昇給まで持ち出したが、鈴木莉緒はそれでも断った。

彼女は当分、会社に戻る気はなかった。

バーの景気は悪くないし、笹川久志とも馬が合う。こうして商売をして、シンプルに、充実して過ごすのがいい。

鈴木康平の会社が倒産した。

それは鈴木莉緒の想定内だった。

望月清香は財産分与を求めて鈴木康平と大喧嘩したが、帳簿を調べると金なんてほとんど残っていなかった。...

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