第345章 白石綾子は死んだ

二人が二人きりで腰を据えて話すのは、これが初めてのことだった。

死の淵にある白石綾子は病室のベッドに横たわり、鈴木莉緒の言葉に耳を傾けている。わだかまりを抱えた恋敵(ライバル)同士というよりは、まるで昔馴染みの友人が思い出話に花を咲かせているかのようだった。

「そうよ。白石知世は私が周防尽に命じて殺させた。加賀弁護士が交通事故に遭ったのは覚えている? あれも私が周防尽にやらせたの」

その件については、鈴木莉緒も初耳だった。

「加賀信也が、あなたに何をしたっていうの?」

「彼は私を疑ったのよ。腹に一物ある、善人じゃないってね」白石綾子はふふ、と力なく笑った。「あなたたちは皆、勘が鋭いの...

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