第346章 気が狂った

鈴木莉緒の率直さに、浅野照輝はさらに笑みを深めた。

彼はグラスを軽く揺らし、その視線を鈴木莉緒の顔の上でゆっくりと彷徨わせる。

「君の言う通りだ。俺が用があるのは森遥人の方だったな」

鈴木莉緒は肩をすくめる。

「当然よ」

「もし俺があいつと揉め事を起こしたとして、君はあいつの味方はしないよな?」

「現場を目撃しちゃったら、警察に通報くらいはしてあげるわ。あなたたちのためにね」

浅野照輝は顔いっぱいに笑みを浮かべた。それは実に爽やかなものだった。

傍目には談笑しているようにしか見えないだろうが、鈴木莉緒だけは分かっていた。この男が、自分を試しているのだと。

彼の言う通りだ。彼女は森...

ログインして続きを読む