第350章 彼女に手を出したら お前の家族を皆殺しにする

二人の男が座っている様は、一幅の絵画のように美しい。だが、その画中にいる二人の空気は、致命的に噛み合っていなかった。

笹川久志もまたその構図の中にいるのだが、彼はあくまで部外者であり、画の一部にはなり得ない。

目に見えるほどの火花が、二人の男の間で散っている。笹川久志は、少なからず不安を覚えた。

「何を飲む?」

笹川久志は浅野照輝に問いかけ、二人の間に漂う火薬の匂いを払拭しようと試みた。

笹川久志の考えは至ってシンプルだ。自分の店で騒ぎさえ起こさなければ、それでいい。

浅野照輝は笑みを浮かべて答える。

「いつもの」

「新作を飲んでみろ」

笹川久志は彼の注文を聞き入れなかった。...

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