第352章 単純な女はいらない

「帰国祝い」という名目だが、その実態はビジネスパーティーそのものだった。

鈴木莉緒には無縁の世界だが、マダムたちの集まりに顔が利く笹川久志には、見知った顔がちらほらとあったようだ。

浅野照輝が挨拶回りで席を外すと、笹川久志は鈴木莉緒の横に立ち、あれは誰で、どういう立場の人間かをこっそりと教え始めた。

鈴木莉緒はこの界隈の人間ではないが、耳に入ってくる肩書きには驚きを隠せなかった。

「商売の世界に政治家は付き物さ。もっとも、各省庁のトップが顔を出すわけじゃない。ああやって群がっているのは大物政治家の懐刀みたいな連中で、ある意味、主催者より偉そうな顔をしている」

「複雑ね」

父である鈴...

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