第353章 二人の男が一人の女を争う

鈴木莉緒は、白石知世がどうだったかなど口にするつもりはなかった。すでにこの世を去った人間を裁く資格など、彼女にはない。

「世界一幸せな女にしてやろうなんて思っていたが、俺の買いかぶりだったよ」浅野照輝は肩をすくめ、諦めたように笑う。「彼女が欲しがっていたのは、俺が与えるものじゃなかった」

白石知世が森遥人に寄せる執着は、狂気そのものだった。

そうでなければ、森遥人のために実の妹を誘拐し、売り飛ばすような真似ができるはずがない。

「すまない、他意はないんだ」浅野照輝は鈴木莉緒に詫びた。「ただ、こうなったのは結局のところ、俺と白石知世の想いが十分に深くなかったからだと言いたかっただけさ」

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