第355章 新しい恋人ができた

まるで狂ったような暴風雨が海面を打ち据え、波濤は逆巻き、うねりは高さを増しては崩れ落ちる。寄せては返し、沈んでは浮き上がり、決して岸には辿り着けないもどかしさ。

どれほどの時間が過ぎただろうか。ようやく嵐が去り、凪が訪れた。砂浜に残された潮の痕跡だけが、つい先ほどまで嵐が吹き荒れていたことを物語っている。

鈴木莉緒はベッドの上で大きく目を見開いたまま、横たわっていた。全身を襲う倦怠感と、身体の奥に広がる空虚感が、先刻まで己が何をされていたのかを残酷なほど鮮明に突きつけてくる。

彼女は首を巡らせ、隣の男を見た。疲労のせいか、それとも薬の影響か、彼は泥のように深く眠りこけている。

身体を動...

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