第366章 透き通るように生きる

浅野静香は、森遥人が藤堂家の婿候補に見込まれていると固く信じて疑わなかった。ビジネスのために自身の身体と婚姻を切り売りしようとしていると決めつけ、ことあるごとに彼への愚痴をこぼしている。

鈴木莉緒はそれに対し、終始淡々としていた。

森遥人は結婚を望み、家庭を持ちたいと考えている。彼のような人間は、本来なら家柄が釣り合う相手と所帯を持つべきなのだ。強者同士が手を組むことこそ、名門大家族における常套手段なのだから。

愛情なんてものは、名門には稀有なものだ。あるにはあるが、極めて少ない。

鈴木莉緒は、たとえそうであったとしても、それが正常なのだと考えていた。

道中、浅野静香はずっとぶつぶつ...

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