第368章 森遥人は冷たすぎて付き合いにくい

浅野静香の実家が新築された。立派な豪邸だという噂は、遠くまで広まっていた。

正月でさえ滅多に顔を出さない叔母一家までやって来たほどだ。

姿を見るより先に、その嫌味な声が聞こえてくる。

浅野彩子は庭に入ると、すぐに家を品定めするように見回した。その目には羨望と嫉妬、そしてほんの少しの恨めしさが滲んでいる。

彼女は昔、地元の町で建具屋を営む社長のもとへ嫁いだ。それ以来、鼻持ちならないほど高慢になり、兄夫婦の家を完全に見下していたのだ。

その後、商売が繁盛するにつれて、正月にもほとんど帰ってこなくなった。以前、祖父の傘寿の祝いがあった時も、彼ら一家は忙しいと口実を作って欠席したほどだ。

...

ログインして続きを読む