第370章 親戚とも会ったことがない

夜が更けても残っている客はそう多くない。親しい身内か、あるいは村の住人ぐらいのものだ。

田舎というものは、何か大きな行事があるたびに、村の人間がこぞって手伝いに来るのが常である。

食事の席で、倉田美月は箸が進まなかった。

特に、浅野静香が沖田譲と談笑している姿が目障りだった。沖田譲の顔にこれといった表情の変化はないが、その眼差しが慈愛に満ちているのは傍目にも明らかだったからだ。

一体どんな手を使えば、浅野静香ごときがこれほどの優良物件(ハイスペックな夫)を捕まえられるのか。

美月と同じように腸が煮えくり返っているのが、母親の浅野彩子だ。弟の家にこれほど立派な邸宅が建ったのを見て、嫉妬...

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