第372章 忠犬ハチ公

浅野静香は部屋に戻ってきた。その瞳には、隠しきれない喜びの色が浮かんでいる。

鈴木莉緒は彼女に視線を向けた。

「戻ってこないかと思った」

「母さんが、一緒に泊まるのは駄目だって」

浅野静香はベッドに身を投げ出し、口元を綻ばせる。

「何よ、そんなに嬉しそうにして」

浅野静香は少し照れくさそうにする。

鈴木莉緒は不思議そうに眉をひそめた。

「あの人が言ったの。帰ったら、もう寝室は分けないって」

浅野静香は唇を引き結ぶが、笑みまでは隠せない。

鈴木莉緒は一瞬きょとんとしたが、すぐに吹き出した。

「あのお義姉さんに感謝しないとね。あの人があんな騒ぎを起こさなきゃ、あんたたち一生ルームシェ...

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