第375章 君たち二人が恋愛しないなんてもったいない

森遥人は立ち上がった。

「ちょっと出てくる」

 彼は藤堂由依の話を最後まで聞きもせず、周囲に軽く詫びを入れて退出した。

 ドアが閉まる。彼は廊下に立ち、左右を見回した。少し離れた休憩スペースに人の気配がある。歩み寄ると、そこには鈴木莉緒と加賀信也が寄り添うように座っていた。二つの頭が今にもくっつきそうなほど、距離が近い。

 森遥人は顔を曇らせ、近づいていった。

 加賀信也と鈴木莉緒が同時に顔を上げる。

「お前も出てきたのか?」と加賀信也が尋ねた。

 森遥人は二人の向かいにあるソファにドカッと腰を下ろし、じろりと彼らを見た。

「お前がいるのに、俺がいて悪いか」

 その言葉に棘が...

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