第382章 浅野静香は言った、小声で

実家に戻っても、浅野静香は沖田譲と同じ部屋で寝ることは許されなかった。

とはいえ、二階にいるのは彼ら二人だけ。それぞれに個室があてがわれている。

村の方では爆竹が鳴り響いていて、夜明けまで続きそうだ。

静香はパジャマ姿で忍び足で歩き、譲の部屋のドアを小さくノックした。

譲がドアを開けると、静香はきょとんとした顔をする。

「まだ起きてたの?」

「寝てたらどうするつもりだったんだ」

「……」

静香は唇を引き結び、自分の寝室を指差した。

「私の部屋、ちょっと寒くて」

譲は眉を寄せる。

「暖房、ついてないのか?」

「知らない。とにかく寒いの」

嘘をつく時、静香の表情は少しだけ...

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