第383章 子供を産みたい

母親の鋭い視線に、浅野静香と沖田譲は思わず気まずさを覚えた。

「首のそれ、なにかしら?」

浅野静香は小首をかしげてみせる。

「え? なにが?」

「赤くなってる」

「……」

 浅野静香はちらりと沖田譲を見た。昨夜、注意が足りなかったようだ。キスマークが残ってしまっている。

 母親の疑り深い眼差しを前に、浅野静香は動揺を必死に抑え込んだ。

「蚊に刺されたのよ」

 母親は信じない。

「こんな寒い時期に、蚊なんているわけないでしょう」

「いるわよ」

 浅野静香は襟元を引っ張って隠そうとする。

「田舎にはいろんな虫がいるものだし、気づかないうちに何かに噛まれたのよ。ああもう、お母さん、お腹...

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