第396章 修羅場

藤堂由依の顔がみるみるうちに紅潮していくのを見て、鈴木莉緒は恐怖を覚えた。

それは単なる怯えではない。藤堂由依による報復への恐怖だ。

浅野静香にあれほど罵倒されたのだ。彼女が根に持てば、静香に対してどのような報復に出るか想像もつかない。

かつて藤堂由依の報復を身をもって経験した莉緒は知っている。この女だけは、怒らせてはいけないと。

権力というものは、彼らが持つ最強の武器だ。彼らが何をしようとも、必ず誰かが尻拭いをしてくれる。底辺に生きる人間には、彼らに指一本触れることさえ叶わないのだ。

「行こう」

鈴木莉緒は浅野静香の手を引いた。

現在、静香は妊娠中で、しかも一人だ。藤堂由依の矛...

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