第405章 彼にキス

「行けばいいじゃない」

 浅野静香は、鈴木莉緒が城海斗の実家へ行ってみることを強く支持していた。

 行って、実際にどうなのか確かめるべきだ、と。

 別に資産状況を査定しに行くわけではないにせよ、見識を広めるだけでも意味はある。

 どんな親、どんな家庭なら城海斗みたいな人間が育つのか、見てくればいい。

「まだ決心がつかないの」

 鈴木莉緒は本当に迷っていた。

 もし本当に行ってしまえば、今のような単純な関係ではいられなくなる気がしたからだ。

「考えることなんてないでしょ。最悪、ただの観光旅行だと思えばいいのよ。少しは気分転換も必要だわ」

「正月休みからそんなに経ってないのに、また?」

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