第406章 嵌められた

鈴木莉緒は笹川久志を伴い、店舗の買い取り交渉をするべく大家の元を訪ねた。

大家も決して道理の通じない相手ではない。

「私の会社も今少し苦しくてね、資金繰りが必要なんだ。でなければ、店を売ったりはしないよ」

「差し支えなければ、買い手がどなたか教えていただけませんか?」

「すまないね、それは言えないんだ」

鈴木莉緒は唇をきゅっと結び、笹川久志に視線を走らせた。

「では、私たちに優先的に売っていただけないでしょうか」

大家は二人の顔を見比べた。

「お二人が、買いたいと?」

「河野さん、僕らも長い付き合いですし、これまでずっと円満にやってきたじゃないですか」

笹川久志が口を開く。

「どう...

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