第410章 彼女に甘すぎる

浅野静香の妊婦健診に、沖田譲は付き添っていた。

職を辞するわけにはいかないが、健診のたびに可能な限り時間を割いて同行するようにしている。

検査結果を待つ間に、藤堂由依から電話がかかってきた。

ディスプレイの名前を見て、静香は眉をひそめる。「あの女、なんの用?」

「さあな」沖田譲は通話ボタンを押した。

静香がじっと見つめる中、彼は短く「はい」とだけ答えて電話を切った。

「どうしたの?」

「デパートで買い物をしすぎたらしい。迎えに来いと」

「……」静香ははらわたが煮えくり返る思いだった。「なんであんたがこき使われなきゃいけないのよ?」

「社長の婚約者だからな。彼女からの連絡には対...

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