第102章

ふかふかとした厚手の絨毯を踏みしめ、私は忍び足で奥へと進んでいった。

前方の個室という個室から、漏れ聞こえてくる話し声。

私は一つずつ、ドアの前に立って耳を澄ませるしかなかった。

最初の個室から聞こえてきたのは、聞き覚えのない女の声だ。田中美咲でも林田美玲でもないらしい。私はそこを離れ、二つ目の個室へと足を向けた。

そうして一番奥まで辿り着いたとき、ようやく林田美玲の声を聞きつけた。

彼女の声は独特だ。気だるげで、少しハスキーな響きを含んでいるから、すぐにそれだと分かる。

だが、この個室は防音性が高すぎる。何を話しているのか、言葉までは聞き取れない。

ただ漠然と、中に数人の気配...

ログインして続きを読む