第107章

西田蓮は心配そうな眼差しを私に向けてくる。

「由依、大丈夫か?」

私は小さく首を横に振った。

彼の背後から、北川歩美が私の隣にいる顔に傷のある男を指差した。

「さっさと北村さんを放しなさい! そうじゃないと容赦しないわよ」

彼女たちの前方では、大勢の警官隊が銃を構えて包囲網を敷いており、いつでも顔に傷のある男を射殺する構えを見せていた。

しかし、顔に傷のある男はこの状況を前にしても全く動じない。片腕で私を羽交い締めにし、もう片方の手で銃口を私の脇腹に押し当てた。

「誰か一人でも近づいてみろ、この女をぶち殺すぞ」

現場は膠着状態に陥り、誰も不用意には動けなくなった。

私は冷静...

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