第118章

母との電話を切り、私は大きく息を吐き出した。

幸い、母はここ数日の私の身に起きたことを何も知らない。もし知られたら、きっと心労のあまり何日も眠れなくなってしまうだろう。

北川歩美と一緒に帰宅すると、林田翔太はまだ戻っていなかった。

帰ったら私に罵倒されるとでも思ったのか、顔を合わせるのを避けているようだ。私としても、そのほうが清々していい。

家に着いたばかりのタイミングで、松本弘之から電話が入った。

受話器の向こうから、報告の声が届く。「監視班からの情報ですが、林田翔太が林田美玲の家に向かいました」

私は愕然とし、耳を疑った。

先日あれだけのことを言っておきながら、林田美玲と林...

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