第124章

小村望はそれを見て、仕方なさそうに頷くと、陽菜の額を指先で軽くつついた。

「お客さんが帰ったら、後でお仕置きだからな。まったく、行儀が悪いぞ」

陽菜はぺろりと舌を出し、いたずらっぽく笑ってみせた。

小村望の日頃の躾と愛情が行き届いている証拠だ。もし彼が本当に恐怖で支配して躾けているのなら、陽菜はこんなおどけた反応はせず、ただ怯えていたはずだから。

私と北川歩美は視線を交わした。彼女は気づかれぬよう微かに頷く。どうやら、この家の様子を一通り確認し終えたらしい。

私は胸の中で、よし、と確信を得た。

テーブルの茶はすっかり冷めてしまっている。小村望が新しいお茶を淹れようと腰を浮かせたの...

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