第160章

仁和市にあるホテルで、私はまんじりとせず夜明けを待った。ここ仁和市は遠く、海市にいる時のように手際よく動くわけにもいかないのだ。

夜通し捜査を続けたものの、判明したのは小林奈菜が姿を消す数時間前の監視カメラ映像だけだった。

映像の中で、彼女は早朝に自身のアトリエへと入っていった。だが、それきりだ。彼女が再び外に出てくることはなく、そのまま忽然と姿を消してしまったのだ。

携帯も繋がらず、あらゆる連絡手段が途絶えている。状況から見て、彼女がアトリエ内で消失したのは間違いないだろう。

松本弘之が現地の警察と連携を取り、今や市全域で小林奈菜の捜索が行われている。

私は席を立ち、きっぱりと告...

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