第181章

「さっきの演技、どうだった?」

 私は興奮冷めやらぬ様子で、北川歩美に問いかけた。

 彼女は親指を突き立て、激賞する。

「堂に入ったものだったわ! アカデミー賞ものよ」

 その時、タイミングよく小林奈菜からも着信が入る。彼女は私が会見を開くことを知っており、自宅でその様子を見守っていたはずだ。

「由依、あの演技は凄すぎるわよ! 私まで危うく騙されるところだった。『貧乏な男に実家ごと食い物にされ、男が成功した途端に浮気されて捨てられた可哀想な女』そのものだったじゃない」

 私はふっと笑う。

「間違ってはいないでしょ? 事実はその通りなんだから」

 小林奈菜は一瞬言葉を詰まらせ、...

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